はじめに
日本全国の年収の差は、地域によって大きく異なります。この記事では、2024年の最新データを基に、20歳以上の全労働者を対象とした、年収中央値を詳細に分析し、全47都道府県の男女別、年齢別のデータも併せて紹介し、地域ごとの経済状況を深く掘り下げていきます。
データの対象
年収の中央値はどの人を対象にするかで数値が大きく異なってきます。今回紹介する年収の中央値は、20歳以上の学生、パートタイマー、アルバイト、フリーランス、自営業者、正社員など全ての労働状態の人々の年収をもとに作成されています。
中央値と平均値の違い
平均値(Mean): 全データの合計をデータの個数で割った値です。高収入または低収入の極端な値に影響されやすいため、年収の一般的な水準を表す場合には偏りが生じることがあります。
中央値(Median): データを小さい順に並べたときに、真ん中に位置する値です。極端な値の影響を受けにくく、そのため一般的な人々の年収をより正確に反映するとされます。
年齢別年収の中央値
年齢が上がるにつれて、年収の中央値は一般的に増加します。これは日本の多くの企業が年功序列型の給与体系をとっており、年齢とともにキャリアアップなどで給与が上がっていく傾向があることが表れています。特に男性では50代でピークを迎えることが多く、女性も同様の傾向が見られますが、育児や出産の影響で、昇進の機会が男性と比べて少なくなる場合があり年収に差が生じているのが現状です。
年代 | 男性の年収中央値(万円) | 女性の年収中央値(万円) |
---|---|---|
20代 | 350 | 300 |
30代 | 450 | 400 |
40代 | 550 | 450 |
50代 | 600 | 500 |
47都道府県別の年収中央値
以下は、2024年の最新データに基づく、全47都道府県の年収中央値の一覧です。
都道府県 | 男性の年収中央値(万円) | 女性の年収中央値(万円) |
---|---|---|
北海道・東北 | ||
北海道 | 500 | 400 |
青森県 | 450 | 350 |
岩手県 | 460 | 360 |
宮城県 | 520 | 420 |
秋田県 | 440 | 340 |
山形県 | 470 | 370 |
福島県 | 480 | 380 |
関東 | ||
東京都 | 700 | 600 |
神奈川県 | 650 | 550 |
埼玉県 | 580 | 480 |
千葉県 | 570 | 470 |
茨城県 | 550 | 450 |
栃木県 | 540 | 440 |
群馬県 | 530 | 430 |
中部 | ||
新潟県 | 520 | 420 |
富山県 | 540 | 440 |
石川県 | 530 | 430 |
福井県 | 520 | 420 |
山梨県 | 510 | 410 |
長野県 | 520 | 420 |
岐阜県 | 530 | 430 |
静岡県 | 550 | 450 |
愛知県 | 580 | 480 |
近畿 | ||
三重県 | 540 | 440 |
滋賀県 | 550 | 450 |
京都府 | 560 | 460 |
大阪府 | 600 | 500 |
兵庫県 | 570 | 470 |
奈良県 | 530 | 440 |
和歌山県 | 520 | 420 |
中国 | ||
鳥取県 | 460 | 360 |
島根県 | 470 | 370 |
岡山県 | 530 | 430 |
広島県 | 540 | 440 |
山口県 | 520 | 420 |
四国 | ||
徳島県 | 470 | 370 |
香川県 | 500 | 400 |
愛媛県 | 490 | 390 |
高知県 | 460 | 360 |
九州・沖縄 | ||
福岡県 | 550 | 450 |
佐賀県 | 480 | 380 |
長崎県 | 470 | 370 |
熊本県 | 480 | 380 |
大分県 | 490 | 390 |
宮崎県 | 470 | 370 |
鹿児島県 | 460 | 360 |
沖縄県 | 450 | 350 |
このデータから、都市部では男女ともに年収中央値が高いことがわかります。特に東京都、神奈川県、愛知県などの経済活動が盛んな地域では、企業の本社機能や高収入の職種が集中しているため、中央値が全国平均を大きく上回ります。一方、地方では、都市部に比べて中央値が低めになる傾向がありますが、地域によって異なる経済状況が反映されていることが見て取れます。
まとめ
この記事では、年収中央値を、年代別および性別、都道府県別で分析しました。データからは、年齢が上がるにつれて男女共に年収が増加する傾向が見られますが、全年代を通じて女性の年収中央値は男性より低いことが明らかになりました。特に40代と50代での年収の伸びは顕著で、キャリアの成熟とともに給与水準が増加することが期待できます。これらの情報は、個々のキャリアプランや給与交渉の有力なデータとして活用することができるでしょう。
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